刑事事件というのは,ごく簡単にいえば,警察に捕まったりして,裁判にかけられ,いわゆる前科などが付いてしまう事件のことを言います。事案によって,どのように処理が進むかはまちまちですが,大きく分ければ,①逮捕,勾留などによって身柄を拘束される場合と,②身柄はとりあえず拘束されず,任意の呼出(任意出頭)で事情を聴取される場合があるといえるでしょう。①の「逮捕」された場合,罪証拠隠滅,逃亡のおそれなどがある場合,これに引き続き「勾留」という処分がされ,引き続き身柄が拘束される場合があります。「勾留」の期間は,まず10日ですが,やむを得ないときには,更に最大10日(一部の犯罪を除く)勾留を延長される可能性があります(実務上は,比較的簡単に10日延長されてしまいます)。「勾留」の期間が終わるときに,「起訴」すなわち裁判になるのかそれとも,「不起訴」すなわち裁判にならないかについて,「検察官」が処分をします。日本において,統計的には,「起訴」になればほとんどが有罪となっているのが現状です。「起訴」となって裁判をした場合には,有罪・無罪の判断をします。有罪であれば,さらに,死刑,懲役,禁固,罰金,拘留(勾留ではありません),科料(過料ではありません),没収などの刑の種類が選択されます。また,懲役であればその期間や執行猶予の有無などが裁判所によって決められます。なお,執行猶予というのは,簡単にいえば,「この期間に罪を再度犯さなければ刑務所に行かなくてもよい」という旨の寛大な処分となります。どのような事件で,どのような裁判の結果になるかは裁判官が決めることですから,断定することはできません。もっとも,「量刑相場」という観念もあり,一応の見込みが立つ事案もあります(すべての事案で見込みが立つわけではありません)。
前記の①の場合はもちろんのこと,②の場合でも後になって身柄を拘束される可能性がありますから,いずれにせよ,直ちに対応を考えなければなりません。その意味で,刑事事件は「時間との勝負」であると言われています。
刑事手続においては,裁判になっていないが嫌疑(容疑)をかけられている人を「被疑者」(マスコミなどは「容疑者」といっています。明らかな法律用語の誤用です。「容疑者」は出入国管理及び難民認定法,いわゆる入管法,の第27条などに規定されている,同法での概念です。)といい,裁判になっている人を「被告人」といいます。
被疑者・被告人は,税金と公務員をたくさん使って,自分を有罪にして,刑罰を科さんとする国家に対して,自らの権利を防御するため,弁護人を選任することのできる権利を有しています。
弁護人は,身柄が拘束されないような活動,身柄が拘束された場合は身柄を解放する活動,被害者との示談,捜査機関(警察・検察)との交渉,証拠の収集,接見交通(面会)などの活動をすることができます。
刑事手続においては,裁判になっていないが嫌疑(容疑)をかけられている人を「被疑者」(マスコミなどは「容疑者」といっています。明らかな法律用語の誤用です。「容疑者」は出入国管理及び難民認定法,いわゆる入管法,の第27条などに規定されている,同法での概念です。)といい,裁判になっている人を「被告人」といいます。
被疑者・被告人は,税金と公務員をたくさん使って,自分を有罪にして,刑罰を科さんとする国家に対して,自らの権利を防御するため,弁護人を選任することのできる権利を有しています。
弁護人は,身柄が拘束されないような活動,身柄が拘束された場合は身柄を解放する活動,被害者との示談,捜査機関(警察・検察)との交渉,証拠の収集,接見交通(面会)などの活動をすることができます。
ごく簡単にいえば,少年事件とは,少年についての刑事事件のことをいいます。もっとも,大人とは違った,少年事件独特の考え方(少年の更生)に従って手続きが進みます。
想定しうる典型的なケースを例にあげます。
逮捕→勾留→鑑別所(監護措置)→家庭裁判所での審判→少年院
大人と異なっているのは,鑑別所に行くこと,裁判ではなく「審判」を受けること,刑務所ではなく「少年院」にいくことなどが挙げられます(その他にもたくさん異なる点はあります。)。
少年事件も大人の刑事事件と同じく,時間が勝負であることや,早期の身柄解放を目指すことは同じですが,学校から退学処分や留年(原級留置)にされないように交渉したり,保護者の環境を整えたりする必要などもあり,大人よりもさらに時間に追われることになります。
従って,少年事件も大人の刑事事件と同様に,早期にご相談していただくことが重要となります。