債務整理とは


 債務(借金)を整理する方法には,大きく分けて二つの方法があるといわれています。一つは,債権者(多くは業者です)と話し合いをして合意によって解決をする「任意整理」です。もう一つは裁判所に申し立てをすることによって解決をする「法的整理」です。この法的整理には,破産手続きや再生手続きがあります。


過払い金とは


過払い金とは、払い過ぎたお金を指します。一見、借りたお金やその利息等を返済していたようにみえますが、法律等に従って、その取引経過を検証すると、実は、お金を払い過ぎていたという場合があります。過払い金の額がいくらになっているかは、取引の期間、借入額、返済額などによって変化します。数百円の場合もあれば、数百万円という多額にのぼることもあります。

一般的に言えば、

    5年から7年借入と返済を繰り返している

    利息が29パーセントなどと、18パーセントを超えていて高い(高かった)場合、過払い金が発生している可能性があります。

また、上記の利息が高い(高かった)場合であり、 

    すでに完済している場合にも、過払い金が発生している可能性が高いといえるでしょう。


借金整理の方法の選択と過払い金の調査


借金整理について、どの方法をとり得るのか、どの方法が妥当なのかは、現在の債務がどのくらいになるかについての調査しなければ、判断が付きにくいといえます。そこで、弁護士は依頼を受けると、業者に対し取り立てをやめるように申し入れを行い(受任通知)、取引の経過が明らかになるような書面(取引履歴)の開示を求めます。この取引履歴等に基づき、借金の総額や過払い金の額を調査することになります。

この調査の結果をみて、借金整理の方法の選択や過払い金の回収計画を立てます。


過払い金の回収


当事務所は、原則として、裁判をして過払い金の回収を行います。以前、貸金業者らは任意の交渉のみでも過払い金を、妥当な金額で返還することに応じていました。しかし、近時、貸金業者の経営体質が悪化し、なかなか過払い金を返還しようとしないまたは、極めて不当な額しか返還しようとしない業者が増えています。そこで、当事務所では、裁判をして、業者に圧力をかけ、過払い金を回収する方針をとっております。


ブラックリスト(個人信用情報)について


よく、「ブラックリスト」という言葉を耳にしますが、そのようなリストはありません。

この言葉は、個人信用情報機関(CICJICC、全銀信)の保有する信用情報(実際にはパソコンのデータでしょう)に、お金の借入、クレジットカードの審査等(与信)をするにあたって、不利益となる情報が記載されることをいうと思われます。ここではこのことを『ブラックリスト』と言って説明しましょう。

過払い金請求をするにあたっては、この『ブラックリスト』が避けられる場合、避けられない場合があります。

物事には何でもメリットだけがあるのではありません。デメリットもあるのです。

過払い金請求ではない、残金が残る借金整理をすれば、当然、『ブラックリスト』になります。

この『ブラックリスト』状態は、短ければ5年長ければ10年といわれています。

借金整理や過払い金請求については、『ブラックリスト』についての対応、メリット・デメリットも十分に検討しなければなりません。


各業者の特徴など


アコムは、今のところ、大きな減額はなく回収が見込めます。事案によっては、「悪意の受益者性」「取引の一連性」という点を特に争ってきます。

 

アイフルは 、以前から「お金がない」との主張をくり返し、過払い金の額を大幅に値切ってきます。「悪意の受益者性」や「取引の一連性」、「充当」「管轄」「第三者弁済」など、ありとあらゆる法的主張を展開する方針を持っています。ごくまれに、不動産担保ローンもありますので、注意が必要です。

 

プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)は、事案によっては「悪意の受益者」「取引の一連性」を争ってきます。最も争いが大きいのは「承継」の問題です。クラヴィスという会社などの過払い金を承継するかについて、厳しく争ってきます。

 

CFJ(アイク、ディックなど)は、「悪意の受益者性」「取引の一連性」を争ってきます。元プロミスと同様にタイヘイという会社などの過払い金を「承継」するかについて、厳しく争ってきます。不動産担保ローンの事案もあります。

 

レイク(新生フィナンシャル)は、事案によって、「悪意の受益者性」「取引の一連性」を争ってきます。特徴的なのは、「10年前までの書類しか残っていない」と主張し、重要な証拠の一部を開示しません。

 

エイワは、 お金がないとの主張を繰り返しており、過払い金を大きく値切ってきます。

シンキは、 事案によって「取引の一連性」「悪意の受益者性」を争ってきます。事業主に対するある程度大口の貸付業務も行っていましたので、カードを使って取引でない「証書貸付」の事例も見られます。 

 

クレディセゾン、三菱UFJニコス、 JCB オリコなどのいわゆる信販会社系統は、取引履歴という書類が判読しにくいものが多数派であり、さらに取引履歴の一部しか開示してこないことがしばしあります。訴訟の進行によっても、過払い金の支払い具合も異なってきます。


業者名一覧


過払い金が見込まれる代表的な会社の一例を示します。

(ほかにもありますし、取引の内容・調査の結果によっては過払い金が出ない場合もあります。)

 

【 消費者金融系 

アコム株式会社(旧DCキャッシュワン)

アイフル株式会社

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
(プロミス、旧三洋信販、ポケットバンク、旧アットローン)

CFJ合同会社(旧アイク、ディック、旧ユニマットレディース)

新生フィナンシャル株式会社(レイク、旧GEコンシューマー・ファイナンス)

新生パーソナルローン株式会社(旧シンキ株式会社(ノーローン)

株式会社エイワ

株式会社日本保証(旧株式会社ロプロ)

 

【 信販会社系(いわゆるカード会社)

株式会社クレディセゾン(セゾンカード、UCカード)

三菱UFJニコス株式会社(ニコスカード、UFJカード、DCカード)

株式会社ジェーシービー

株式会社オリエントコーポレーション

株式会社アプラス

株式会社ジャックス

ライフカード株式会社

イオンクレジットサービス株式会社

SMBCファイナンスサービス株式会社

(株式会社セディナ(旧OMCカード、旧クオーク、旧セントラルファイナンス)

三井住友カード株式会社

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド 

株式会社エポスカード(丸井、ゼロファースト)